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大トラブル発生

今回取り上げるのはこちらです。
ドイツ製の世界的にも著名なキャラクター付きのキャンディーの日本市場で発売が決まりました。 大型の新製品を投入する自社を上げての一大イベントです。

発売日はハロウィンのタイミングを意識したXXXX年10月1日。 大手スーパー、コンビニ、キオスク、百貨店の食品売り場、バラエティショップに至るまで棚割りが決まり導入の準備がされています。 何より発売に合わせた女性アイドルグループYYYYによるTVコマーシャルがオンエアされるので発売日、オンエア日の遵守は必須です。

往々にしてこんな大それたイベントにはトラブルがつきもの。

今回こちらの製品も例外ではありませんでした。 製品のパッケージの不良です。
入荷した製品をランダムサンプリングしたところ、製品が開封しているわけではないのですが
完全密着の状態でないものが混在していたのです。 日本の製品輸入側は100年の歴史を持つ業界の老舗であり、業界ではいち早く海外製品の導入を開始し、数々の経験や実績を持っています。 今回も実際に輸送試験を実施して梱包には問題がないことを確認したうえでの量産
スタートでした。

ただ、一点気になるところがありました。
輸入試験の後にこの大イベントを更に盛り上げるために、10%増量キャンペーンとして、
同じ価格で10%(数量では20個入りが22個入りへ)増量の折衝を製品製造元と合意してたのです。キャンデーが10%増量したところで個々の包装には問題がない旨製造元と確認したうえで、態々輸送テストを実施しないでGOをかけたのです。それが裏目に出たようです。 

個々の包装では問題がないのですが、カルトンケースの中で下段に積まれ重さに耐えきれないキャンデーの包装紙が一部開封し、中にはキャンデーの表面が少なからず溶解しているものが発見されました。 製品としては販売することにのできないもので販売元としては大問題です。

増量を要請したのは日本の輸入側、品質を保証したのはドイツの輸出側です。
メールのやり取りにおいては、10%増量に関する製品の仕様、納期、価格についての確認が
両者間でなされ、10%の増量で製品の梱包状態には支障はない旨の返答が製造先のQuality Assurance Managerからきています。ただ、最終仕様の製品の輸送テストは時間の関係で
実施していませんでした。

この品質問題により、製品は自社判断で出荷差し止め、ハロウィンイベントを予定していた各店舗には急遽別の製品によるキャンペーン実施(代替が認められれば良い方で、通常は他社に入れ替わる措置が取られます)。 TVCMのオンエアも中止です。これにより輸入側の日本メーカーは大混乱に陥ります。

状況説明が長くなりましたが、この問題どう扱い、どう収束させたらよいものでしょう。。。

契約書に規定されていることは、輸入側は製品の入荷後に受入検査を行い、不良があれば、輸出者に報告し、良品と交換を申し出るということだけです。
そもそも、通常のプロセスを超えた、個々の不良品発生の経緯や因果関係など事前に想定などできるものでもないですし。。。

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